- 全身性ガイドヘルパーって何?
- どんなときに必要な資格?
- 資格取ることは難しいの?
「全身性ガイドヘルパー」の言葉を聞いたことがあるでしょうか?全身性ガイドヘルパーは、四肢の不自由がある方でも外での活動を楽しめるように支援するとても大切な介護の資格です。
資格だと聞くと、たくさん勉強したり、高額のお金がかかったりしそうなイメージがありますよね。
全身性ガイドヘルパーは介護資格の中でも割と簡単に取得できる資格です。全身性ガイドヘルパー資格をもっていることで、介護の仕事の幅がもっと広がります。
本記事では、全身性ガイドヘルパーの資格について取得方法や実際の活動の場面などを説明します。先日、全身性ガイドヘルパーを取得したばかりの筆者の経験も交えて説明していきます。
全身性ガイドヘルパーに興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
全身性ガイドヘルパーとは

全身性ガイドヘルパーは、身体の広い範囲に障害があり、単独での外出が難しい人を対象に、外出時の移動や必要な介助を行う支援者です。
代表例としては、両上肢・両下肢に機能障害がある人などが自治体の移動支援対象として案内されています。
外出先までの安全な移動だけでなく、必要に応じて車いす介助、移乗の補助、外出中の見守りなども含まれます。
特に、買い物・役所手続き・余暇活動・社会参加のための外出で、移動の介助や外出中の身の回りの支援が必要な場合に利用されます。自治体の制度上は、主に移動支援として扱われることが多いです。
他のガイドヘルパーとの違いは?

ガイドヘルパーは実はいろいろな種類があります。全身性ガイドヘルパーもその種類の一つです。
以下にガイドヘルパーの種類をまとめました。
| 種類 | 主な対象 | 主な支援内容 | 制度上の位置づけ・呼び方 | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| 全身性ガイドヘルパー | 四肢まひなど全身性障害で、単独外出が難しい人 | 外出時の付き添い、移動介助、必要な身体介助 | 主に移動支援(市町村事業) | 自治体によって対象要件や名称が少し異なります。 |
| 知的障害者ガイドヘルパー | 知的障害があり、外出に見守りや支援が必要な人 | 外出同行、ルート確認、危険回避、社会参加支援 | 主に移動支援 | 自治体や研修区分によって名称や扱いが異なる場合があります。 |
| 精神障害者向けガイドヘルパー | 精神障害があり、単独外出が難しい人 | 外出同行、見守り、精神症状に配慮した支援 | 主に移動支援 | 自治体によっては身体介護の扱いに制限がある場合があります。 |
| 視覚障害者向けガイドヘルパー | 視覚障害により移動に著しい困難がある人 | 情報提供、誘導、代読・代筆、外出時の介護 | 現在は主に同行援護 | 従来の「視覚障害者ガイドヘルパー」に近いですが、制度名は同行援護が中心です。 |
| 行動援護従業者 | 知的障害または精神障害により、行動上著しい困難があり常時介護を要する人 | 危険回避の援護、外出中の介護、食事・排せつ介助など | 行動援護(障害福祉サービス) | 一般的な移動支援より要件が重い支援制度です。 |
| 重度訪問介護従業者 | 重度の肢体不自由などで常時介護が必要な人 | 居宅介護、外出支援、見守りなどを包括的に実施 | 重度訪問介護 | 自治体の移動支援とは別枠で、利用者は移動支援対象外となることがあります。 |
全身性ガイドヘルパー資格の取得は難しい?

全身性ガイドヘルパー資格の取得は難しくありません。教育機関により差はありますが、1~3日程度の日程で取得でき、金額も3万円未満です。
筆者が全身性ガイドヘルパー資格を取得したところは、町田市にある「湘南ケアカレッジ」というところです。8:00~19:00までの一日研修で取得できました。金額も13,000円で他のところに比べるとお手頃の金額でした。
筆者が介護職員初任者研修から実務者研修までお世話になったところです。
介護を盛り上げていこう!と情熱溢れる先生方がいっぱいいらっしゃるおすすめな学校です。
以下に筆者が受けた研修内容と感想をお伝えします。
研修の内容
研修は座学と演習そして実習を行います。それぞれどのようなことを学んだのか以下に整理していきます。
普段はあまり考えることもない様々なことを感じられたとても楽しい時間でした。

1.座学
座学では同じグループになった方々の自己紹介をしました。値段のお手ごろさと一日で資格の取得ができることがやはり魅力的だったのか、1時間以上かけて遠くからも多くの方々がいらしてました。
講義はガイドヘルパーの制度について教えられます。講師は長年ケアマネージャーとして勤めていらして、実際外出支援の事業所も運営された経験のある方でした。講義中に貴重な実際の外出支援の話をたくさん聴くことができました。
2.近くの公園と踏切で実演
座学の後は、二人一組のペアを組んで近くの公園に行きます。行きと帰りで交代して車いすに乗りました。
公園までの道のり
公園までの道は当然普通の街を車いすで行きますので、すれ違う人や自転車、自動車などを気を付けながら進んでいきます。
車いすに座っていると、または押していると本当に見えるものが限られてきました。曲がり角では、介助者の前に車いすがあり、介助者が先の確認できないので細心の注意が必要でした。狭い道を車いすで進むのは本当に大変でした。少しの道路の傾きでもハンドルが取られるが感じでした。
公園内での演習
とてもきれいで素敵な公園でした。前日の雨風が去った後の暑いくらいの陽気だったのでたくさんの方々がいらっしゃいました。
公園までの道のりもすべて研修の一環でした。横断歩道や信号、曲がり角の死角など。
車いすに乗っていらっしゃる方も、介護する者も気を付けなければいけないことにたくさん気づかされました。
公園では次のことを教えてもらいました。
- 段差の上がり方
- 側溝などの通り方
- ぬかる地の進み方
- 上り坂・下り坂の進み方
気を付けるポイントや楽に進める方法を等を教えて頂きましたが、思っていたのと違うことも多く新しい発見もたくさんありました。
踏切
公園での演習に溝や凸凹した道の通り方もあったので、同じ要領で踏切を渡る演習をします。
カンカンと警報音が鳴り、電車が行きかう実際の踏切を渡るのはなかなかスリリングなことでしたが、講師の方々が案内してくださるので緊張しながらも安心して渡ることができました。
3.町での実習
電車に乗って隣町に行くチームと町田の駅周りを散策するチームに分かれて実習をします。
実際のガイドヘルパーのなったつもりで取り組みました。
ガイドヘルパーは決まった時間内に支援をしないといけないので、利用者様の要望を叶えるために効率的な時間配分と計画を立てる必要性について学びます。
電車に乗るときに気を付けなければいけないこと、車いすを停める向きなども考えながら実習をすすめます。
4.振り返り
電車でのお出かけと、町田の駅周辺散策は午後は交代して行います。
全チームが教室に戻ったら、感じたこと思ったことをそれぞれ発表して振り返りの時間を持ちました。
振り返りではこんな意見がありました。
- デパートのドアが自動ドアでなく、誰かがドアを持ってくれないと通れなくて大変だった
- エレベータの位置が探すのが大変だった
- 車いすの通れる改札が少なくて大変だった
- 車いすの入れる、「みんなのトイレ」があまりなかった
- 食堂によっては、椅子が固定されている席が多く、車いすが入れなかった
- 駅のホーム内にエレベータが1機しかなく、距離も遠くて狭かった
- 車いすに座っていると、目線が下がるのですれ違う人たちが迫ってくるようで怖かった
- 歩きたばこや歩きスマホが危ないと感じた
- 地面の衝撃をそのまま感じるので、車いすに長時間座っていること自体が大変だった
- ドアを開けてくれたり、エレベータを譲ってくれたりする人々がいて優しさを感じた
他にもたくさんの意見がでました。実際に経験してみないと分からないことばかりで、普段は何も思わないことだけれどこんなにも不便なんだと予め思うきっかけになりました。
振り返りの後は、体の無理がない移乗のコツなども教えてもらいました。
ガイドヘルパーは利用者様の希望を叶える素敵な資格

長い一日が終わり、無事に資格取得できました!
筆者は重度訪問介護もやっていますが、何回かガイドヘルパーさんと共に利用者さんの外出支援につき合わせて頂いたことがあります。
講演やバザー、スポーツ、カフェなど限られた時間でしたが、利用者様の体の負担にならないように計画を立てて導いてくれる姿が素敵だなと思いました。
振り返りの時の講師の言葉で特に印象に残るものがあります。
「相手が障害者だから手伝うのではなく、困っているから手伝う」
障害者だからと思っている時点でもう自分の中で差別している証拠!という言葉でした。
無意識のうちに、こんな発想がたくさんあったなと思い、気を付けようと思いました。
それぞれが社会の一員として、望む生活を楽しんでいく。
全身性ガイドヘルパーを含むガイドヘルパーは、困っている方も楽しめるように手伝う素敵な仕事だと思います。
興味ある方は、ぜひチャレンジしてみてください。

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